私の研究について
最適化は工学の諸分野における基本的なテーマであるだけでなく、自然科学や社会科学の領域においても現れる重要な概念です。なかでも、線形計画、非線形計画、ネットワーク計画、組合せ計画などに 代表される数理計画は、システムの最適化を達成するための 数理的方法論を包括するパラダイムとして活発に研究されてきました。大規模で複雑なシステムを効率よく取り扱うためには、計算機の性能にも増して、対象とする問題の構造を有効に利用したアルゴリズムの開発が極めて重要です。
私の研究テーマは数理計画の基本的な諸問題に対する効率的なアルゴリズムを開発することです。これまでの約30年にわたる研究生活では、非線形最適化を中心として、様々な数理計画問題を取り扱ってきました。近年は、各種の均衡問題の数学モデルとして重要な変分不等式問題や相補性問題の理論的性質を究明し、それらに対する効率的な解法を 開発する研究を重点的に行ってきました。 また、相補性条件や変分不等式を制約条件として含む数理計画問題(MPEC)は、実用上極めて重要な問題であるにもかかわらず、理論的にも実際的にも非常に取り扱いが困難なため、最近まで系統的な研究はあまり行われていませんでしたが、そのような問題に対していくつかの重要な成果を得ることもできました。ごく最近は、現実の問題解決において重要な不確実性のもとでの最適化やロバスト最適化に関する研究に力を入れています.
これまでの研究成果は最近の研究や著書・論文一覧を見てください.
これからも面白そうな問題を見つけて、どんどん挑戦していきたいと考えています。
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<Last update: March 30, 2005>